足場の労基申請(機械等設置届)でつまずくのは、たいてい「様式に何を書けばいいのか」と「図面をどこまで付ければいいのか」の2つです。
規則で決まっていることは、じつはとても短い。記載する事項は3つだけ、添える図面は2種類だけです。それ以外は監督署の運用なので、分けて考えると迷いません。
足場の設置届は、労働安全衛生法第88条第1項にもとづく機械等設置届です。用紙は様式第20号(機械等設置・移転・変更届)。提出先は所轄の労働基準監督署長、期限は工事の開始の日の30日前までです。
| 様式 | 様式第20号(機械等設置・移転・変更届) |
|---|---|
| 出す先 | 所轄の労働基準監督署長 |
| 期限 | 工事の開始の日の30日前まで |
| 対象 | つり足場・張出し足場、およびそれ以外で高さ10m以上の足場 組立てから解体までが60日未満のものは対象外 |
必要になる条件そのものは、足場設置届はいつ必要か|高さ10mと「60日」の判断基準で詳しく書いています。ここから先は「出すと決まったあと」の話です。
労働安全衛生規則の別表第七では、足場について書くべき事項が決められています。並びはそのまま、次の3つです。
| 一 | 設置箇所 現場の所在地と、建物のどこに掛けるか(北面・南面、外周全面など) |
|---|---|
| 二 | 種類及び用途 くさび緊結式足場・枠組足場・単管足場などの別と、外壁改修用・解体用といった使い道 |
| 三 | 構造、材質及び主要寸法 段数と各段の高さ、最高部の高さ、スパン割り、建地の間隔、使用部材(鋼管の径・厚さなど)、壁つなぎの間隔 |
様式の枠は小さいので、3つ目の「構造、材質及び主要寸法」を枠の中に書ききることはできません。枠には要点だけを書き、「詳細は別添図面のとおり」として図面に逃がすのが実務の形です。枠の数字と図面の数字が食い違うと必ず指摘されるので、最後に必ず突き合わせます。
同じ別表第七で、足場に添える図面等として決められているのは組立図及び配置図です。呼び方は現場ごとに違いますが、中身としては次のように描きます。
強度計算書、仕様書、付近見取図、工程表、有資格者(参画者)の資格を示す書類などは、規則の別表に書かれているものではなく、監督署の運用として求められることが多いものです。何が要るかは署によって違います。はじめての管轄なら、図面を描き始める前に電話で確認するのがいちばん早い。これで出し直しがほぼなくなります。
2024年4月から、幅が1m以上の箇所では本足場を使うことが原則になりました(労働安全衛生規則第561条の2)。例外は、つり足場を使うときと、障害物があるなど、その場所の状況で本足場を使うことが困難なときです。
つまり、一側足場で計画するなら、「なぜ本足場にできないのか」を図面に書いておく必要があります。ここが抜けていると、そこで止まります。
監督署によっては、「本当にその幅しかないのか」を確かめるために現場写真の添付を求められます。離れが取れない箇所を、メジャーを当てて撮っておくと、そのまま使えます。あとから撮り直しに行くことになると、30日前の期限に響きます。
提出は紙だけでなく、電子申請(e-Gov)でもできます。窓口に行く時間が取れないときや、遠方の管轄のときに使えます。ただし、添付図面の枚数や容量の扱いは管轄で運用が違うことがあるので、急ぎのときほど事前に確認してください。
30日前という期限は、図面から逆算すると意外と余裕がありません。現場の条件が固まっていない段階でも、描けるところから先に進めておくと、決まった瞬間に出せます。
仮設計画図・強度計算書・労基提出書類の取りまとめまで対応しています。
「この現場は届出が要るのか」という段階からご相談いただけます。
根拠にした条文
条文は e-Gov法令検索 で確認できます。運用は管轄の労働基準監督署によって異なります。最終的な判断は、所轄署にご確認ください。