改正建設業法や取適法で導入された「標準労務費」という新しい用語の認知度が、いきなり6割近くに達したと報じる記事(2026年9月23日付)。業界内で関心が急速に高まっていることがうかがえる。
日経クロステックが2026年9月23日付で、改正建設業法や取適法(取引適正化に関する法律)で導入された「標準労務費」という用語の認知度が、いきなり59%に達したと報じています。業界にとって新しい言葉であるにもかかわらず、短期間で6割近くが「知っている」と答えた、という内容です。
ここで先に線を引いておきます。記事が扱っているのは「用語の認知度」という調査結果であって、標準労務費の算定方法や運用の細部ではありません。施行日や適用範囲についても記事には示されていないため、本稿ではそこに踏み込みません。今日の時点で言えるのは「2026年9月23日付の報道で、認知度が59%だった」ということまでです。決まったこと・これから決まることを混ぜて社内で共有すると、あとで金額の前提がずれます。制度の中身は、必ず公布・施行の別と施行日を確認したうえで扱ってください。
はじめにお断りしておくと、足建STUDIOは足場の見積そのものを作る立場ではありません。金額は各社が自社の原価と体制で組むものです。それでも今回の話題を取り上げるのは、労務費の議論が始まったとき、根拠として必ず引っ張り出されるのが「数量」と「そのもとになる図面」だからです。
労務費が業界の共通語になると、「では、この金額はどういう根拠ですか」という問いが返ってきます。足場の金額は、架面積の㎡単価に部材も手間も飲み込ませる形で示されることが一般的です。この形が悪いわけではありませんが、労務の話になった瞬間、㎡単価は「中身が見えない一つの数字」になります。
具体的な例を一つ挙げます。くさび緊結式の外部足場で、同じ架面積でも、出入隅が多い建物、バルコニーや庇(ひさし)の張り出しが連続する建物、開口部養生や朝顔(防護棚)が入る建物では、組立にかかる人工(にんく)が変わります。大規模修繕では、躯体の形状に合わせた抱き足場や、工程途中での段階的な解体・盛り替えが入ることもあります。これらはすべて手間として労務に効いているのに、㎡単価の中に沈んでしまうと説明できません。
ここで効いてくるのが計画図です。段数、スパン割り、控えの取り方、開口部の処理、朝顔の位置と枚数、資材の揚重ルート──こうした情報が図面上で確定していれば、数量は数量として拾え、手間は手間として切り分けて説明できます。逆に図面が概略のままだと、交渉の矢面に立つのは常に労務の部分です。図面は現場を組むためだけの資料ではなく、数量の出どころを示す資料でもあります。
ここからは私見です。認知度59%という数字は「みんなが内容まで理解している」という意味ではなく、「言葉としては耳に入っているが、自社の仕事にどう落とすかはこれから」という段階だと読んでいます。だからこそ、制度の細部が固まるのを待つ前に、説明の土台を整えておく価値があります。
整えるべきは、一つは自社が示す数字の内訳を、部材・組立解体・運搬・安全対策のどこにどれだけ乗っているか、自分の言葉で言えるようにしておくこと。もう一つは、その説明のもとになる計画図の精度を上げておくことです。元請の担当者と話していても、数量の拾いどころが図面で明示されている案件は、協議が早く終わります。
足建STUDIOが請け負っているのは、大規模修繕と解体工事の足場計画図(くさび緊結式・単管・枠組み・次世代足場)と、それに紐づく強度計算書、労基への提出書類です。金額はお客様側で組んでいただくものですが、「この数量はこの図のここから拾える」という形まで落とした図面をお渡しすることはできます。
数量の根拠づくりで詰まっている箇所があれば、図面の段階からご相談ください。
労基提出図一式、強度計算書、道路占用・使用図面まで対応しています。
LINEなら、読んでいて浮かんだ疑問でも気軽にどうぞ。